今回は、ドラッグストア業界で働く薬剤師に向けた、売上ランキングをまとめてみました。
業界再編が進む中、現在勤めている会社は大丈夫なのかと不安を抱きつつ働いている薬剤師の方もいるかと思います。
売上が上位を占めてるドラッグストアなら将来安泰と考えていませんか?
新卒で入社したドラッグストアでは幸いにも買収する側の会社にいたので、買収された従業員の待遇を見てきました。
記事の後半では、買収された会社の従業員がどのような待遇を受けたかについて解説しています。
なので、ドラッグストア業界で長く働く上で、しっかりと抑えておくべき内容となっていますよ。
会社名をクリックして頂くと、働きやすさ、年収、評判などを薬剤師観点からまとめた記事が見れるようになってるので、ぜひチェックしてみてください。
ドラッグストア業界の売上ランキング【最新版】
ドラッグストア業界売上ランキング【2021年】
順位 | 前年 順位 | 企業名 | 売上高 |
1 | 1 | ウエルシアHD | 868,280 |
2 | 2 | ツルハHD | 841,036 |
3 | 3 | サンドラッグ | 617,769 |
4 | 5 | マツモトキヨシHD | 590,593 |
5 | 4 | コスモス薬品 | 611,137 |
6 | 6 | スギHD | 541,964 |
7 | 7 | ココカラファイン | 403,875 |
8 | 8 | クスリのアオキHD | 300,173 |
9 | 9 | クリエイトSDHD | 286,299 |
10 | 10 | カワチ薬品 | 270,313 |
単位は百万円、上場企業は連結ベース、非上場企業は単体ベース。日経会社情報DIGITALからデータを引用
データを見るとマツモトキヨシHD(4位)とコスモス薬品(5位)の順位が入れ替わり、他は前年と変わらない順位となっています。
コスモス薬品は前回5位から3位へと順位を上げています。店舗数は1065店舗(2020年6月30日現在)と他社と比べると少ないですが、新しいエリアに続々と店舗展開をしており、今後の売り上げを伸ばしていくと考えられます。
それでは、それぞれの会社を詳しく見てみましょう。
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ドラッグストア業界の売上ランキング1位:ウエルシアHD
ウエルシア薬局は、「お客様の豊かな社会生活と健康な暮らしを提供する」という企業理念の実現に向けて、調剤薬局を併設したドラッグストアを中心に店舗展開をしています。
主な出店地域は、東北・
ウエルシアのM&A推進による「成長戦略」で、今後は、調剤薬局の他に、医薬品の宅配、地域医療参画、介護関連事業などのヘルスケア分野に挑戦していく企業です。
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ドラッグストア業界の売上ランキング2位:ツルハHD
ツルハグループの始まりは、1929年に北海道旭川市で鶴羽薬師堂を創業したところからスタートします。
その58年後に北海道以外に初めて店舗を展開し、現在では全国に2,000店を超える店舗を構えるほどに成長。
都道府県別では、九州、沖縄を除く1都1道2府29県に進出しています。
全国規模でこれほど店舗展開を行っているのは、ツルハとサンドラッグの2社だけです。
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ドラッグストア業界の売上ランキング3位:サンドラッグ
サンドラッグは東京西部をメインとし、化粧品・医薬品の比率の高い営業が特徴的です。
駅前などアクセスの良いエリアに店舗を構える小規模型から、ファミリー層を標的とした郊外型、調剤併設の「かかりつけ薬局」など色々な形態で店舗展開を行なっています。
ドラッグストア事業での特徴的な取組みとして「1店舗2ライン制。2つの役割」が有名。
従業員を店舗運営とカウンセリング販売に分割。さらに調剤薬局事業では調剤専門薬局を出店するなど、それぞれの事業にて専門性の高さを重視し、顧客ニーズを掴んでいます。
コスト削減、低価格路線が最大の強みで売り上げを伸ばしていますが、ドラッグストア業界再編の中で、どのような成長戦略を打ち出していくかが、今後の課題となっていきます。
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ドラッグストア業界の売上ランキング4位:マツモトキヨシHD
マツモトキヨシは1990年代前半に、個性的なタレントを起用してテレビCMを打ちました。
そのCMでドラッグストアの社会的認知度を高めたマツモトキヨシは、ヘルス&ビューティーを軸に、日用雑貨や食料品、医薬品、化粧品など幅広い商材を扱うことにより会社を成長。
マツモトキヨシは日用品から医薬品に至るまで、様々な種類のPB商品をを展開してきました。さらに、資生堂などの化粧品メーカーと専用商品を開発し、独占販売もおこなっています。
マツモトキヨシHDとココカラファインは、2021年10月に経営統合すると発表しました。両社合わせた店舗数は3千店、売上高は約1兆円となり国内1位となります。
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ドラッグストア業界の売上ランキング5位:コスモス薬品
コスモス薬品は、ドラッグストア業界における「顧客満足」が7年連続1位となっています。
九州をメインとする店舗展開で、食品の安さで顧客のニーズを掴む営業で、売り上げに占める食品の構成率は56%。
コスモス薬品は「安売り」というイメージが先行するが、「顧客満足」が7年連続1位となるだけあって、徹底した顧客サービスにも定評があり、他社との差別化にもなっているのが特徴ですね。
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ドラッグストア業界の売上ランキング6位:スギHD
スギ薬局は、ドラッグストアと調剤薬局を運営し、愛知県に本社を構える業界大手の企業です。
OTCを扱う店舗は「ドラッグスギ」「スギドラッグ」、調剤を行う店舗は「スギ薬局」として名前を分けて店舗展開。
スギHDにはスギメディカルというグループ会社があり、介護、医療機関と連携し、自社の居宅事業支援事業と訪問介護事業を行っています。
東海エリアでは、愛知県のスギ薬局、岐阜県のVドラッグの両社が、他社のチェーンドラッグストアとエリア抗争の波で争っており、業界再編の波を今後どのように生き抜き、成長していくかが今後の課題となっていきます。
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ドラッグストア業界の売上ランキング7位:ココカラファイン
ココカラファインは、約1,300店舗を超える数で全国展開し、ドラッグストア(調剤事業含む)事業だけでなく、ネット通販事業などのヘルスケア関連業務を行っている大手ドラッグストアです。
M&Aによって事業を急速に拡大し、日本全国8割以上のエリアで約1,400店舗を展開するまでに成長。
ココカラファインは、マツモトキヨシとの経営統合に向け調整を進めています。両社合わせた店舗数は3千店、売上高は約1兆円となり国内1位となりますが、今後の成長戦略が大きな課題となっていきます。
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ドラッグストア業界の売上ランキング8位:クスリのアオキHD
クスリのアオキは昭和60年に設立され、『「健康と美と衛生」を通しての社会貢献』を経営理念としています。
石川県白山市に本社を置く、大手ドラッグストアチェーンです。
ドラッグストアの買収を積極的に行い、北陸を中心に店舗拡大を行い成長しました。
2001年にはウエルシアとイオンが設立したはピコむグループに加入。
全店舗の半数が調剤併設薬局を併設しており、地域に貢献できる医療を提供しています。
近年は、在宅医療に力を入れており、医師らとチームを組んで訪問・服薬指導を行っています。
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ドラッグストア業界の売上ランキング9位:クリエイトSDHD
クリエイトSDは、1975年に神奈川県緑区で「みどり薬局」として創業しました。
現在は全国に600店舗を超える大手ドラッグストアチェーンまで成長。
最近の新規出店は、生鮮食品を扱う専門店と協業した店舗や、ビューティーに注力した店舗Cremo(クレモ)など続々と出店しています。
調剤事業においては、薬剤師の専門知識の学びとして研修などに力を入れるとともに、地域での在宅業務への取り組みも行っていますね。
取り扱う処方箋枚数も増加傾向にあり、今後も順調に成長していく大手ドラッグストアとなっています。
ドラッグストア業界の売上ランキング10位:カワチ薬品
カワチ薬品は栃木県に本社を構え、東北、関東・東海エリアを中心に300店舗以上を展開している大手ドラッグストア。
カワチ薬品の強みは、「メガドラッグストア」とよばれる店舗形態で、一般的なドラッグストアを比較すると、売場面積の3~5倍の広さがあります。
さらなるエリア基盤構築による優位性と効率化を目標として、ドミナントエリアにおいて出退店を進めています。
ドラッグストア業界の競争激化に対応するため、価格や商品の品揃えの見直し、高い専門性、ヘルスケアに関するカウンセリング機能の強化に努め、企業のさらなる成長もための企業運営を行っています。
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買収された会社の従業員が受ける待遇について
現在のドラッグストア業界は、再編が進みM&Aが盛んですね。
幸いにも、わたしが新卒で入社したドラッグストアは買収する側の企業だったので、待遇が悪くなるような経験はしませんでした。
ここからは、買収された会社の従業員が受ける待遇について解説します。
待遇は買収した次第
買収された側の社員の待遇は、買収した会社次第になります。
いきなり従業員を解雇されることは無いのでひとまずは安心です。
なぜなら労働基準法によって社員の地位がしっかり守られているから。
なので社員がマイナスになるような待遇を受けることはほとんどありません。
むしろ待遇が良くなることが多いですよ。
買収された側は待遇が良くなることが多い
会社の買収によって継承された社員はリストラされるどころか、待遇が良くなるパターンが多いです。
なぜなら、会社を買う側が経験ある従業員の取得を買収の目的とするからです。
優れたノウハウをもつ社員を手放すことは、企業価値を下げる要因になりなります。
会社買収により社員の待遇を悪くするとどうなるか・・・。
当然、社員は辞めていきますよね!
会社を買収した大きな損失となってしまいます。
新しい環境に適応しなければならない
会社が買収されたからといって、簡単にリストラされる心配はないことが分かりましたね。
しかし、買収された側の社員は、買収した会社の社風やシステムに適応しなければいけません。
レセコンの使い方や、仕事の流れ、会社の雰囲気などに慣れるには相当な時間がかかります。
経験談でお話しすると、元々いた社員と友好的な関係を築けない社員もいました。
買収した会社の制度ややり方になじめなかったりすると、やむおえずに辞めていく社員が一体多数いたので、決していい事ばかりではありませんでした。
まとめ:業界再編時には慎重に就職先を決める
ドラッグストア業界の売上ランキングTOP10を紹介しました。
業界再編時は力の弱い企業が買収される傾向にあります。
各個人が変化を受け止め、主体的にキャリアを形成していく必要があるのです。
この記事が少しでもあなたの仕事選びの参考になればうれしいです。