薬剤師について

薬剤師は要らない?AIで無くなる薬剤師の仕事を解説

  • 薬剤師の仕事って無くなるの?
  • AIで変わる薬剤師の仕事内容とは?

 

このような疑問を解決できる記事を書きました。

 

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薬剤師の仕事はAIによって無くなってしまうのか?

結論からいうと、薬剤師の仕事は無くなりません。

なぜなら、オクスフォード大の研究で薬剤師の仕事が無くなる可能性が1%となっているからです。

AIに関する論文や本を読んでいると薬剤師の仕事は無くならず、AIによって業務が効率化されより働きやすくなるのではないかと考えています。

 

そこで今回は、薬剤師の仕事がAIに仕事を奪われない理由について解説した記事を書きました

 

この記事では今後の求められる薬剤師像という観点からお伝えできればと思います。

 

薬剤師の業務とAIの関り

まずは薬剤師の仕事内容を確認しながらAIの影響について見ていきましょう。

薬剤師は薬局で仕事をしている人の数が多いこと理由から、調剤業務の観点で解説していきます。

 

調剤業務と監査業務

調剤業務は医者の処方箋のもとに薬の調剤をする業務ですよね。

監査業務は調剤業務で用意した薬が処方箋と間違いが無いかを改めて確認する業務のことをいいます。

処方箋通りに調剤をすることはもちろん、他の薬の飲み合わせに問題ないかを患者さんの聞き取りなどから確認。

患者さんの聞き取り内容などから処方箋の内容に疑わしい点が発生したら、処方箋を発行した医者に対する疑義照会や処方提案をしていきます。

 

薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない

出典:薬剤師法第24条

 

AIであれば薬の相互作用は簡単にチェックすることは可能ですが、処方箋を発行した相手は人間であるため、疑義照会や処方提案は高度なコミュニケーション能力を備えた会話のできるAIでなければ対応できません。

調剤業務ではAIと人間である薬剤師が相互にフォローすることで、より良いサービスを提供することが出来ます。

 

服薬指導業務

服薬指導業務とは、患者さんに薬剤師が薬の情報を提供する業務のこと。

薬の説明や服用方法はもちろん、患者さんが抱える悩みや症状を深堀することで、より適切なアドバイスをすることができます。

調剤業務と監査業務で説明した通り、薬の相互作用であればAIのほうがより正確な確認が可能ですが、患者さんが抱える悩みはそう簡単にはいきません。

昔と違い、薬剤師の仕事は高いコミュニケーション能力が求められています。

患者さんとの服薬指導中の話の内容から、処方箋に書かれた薬に疑問を持ち医師に疑義照会することを説明しました。

その結果、薬が変更された事例は調剤で働いている薬剤師なら何度も経験しています。

来局する患者さんはただ薬の説明を求めている人だけではありません。

特に高齢者の方の中には、人とのつながりを求めてくる人もいるからですね。

このような患者さんは、コミュニケーションを通して信頼を築けなければほかの薬局に行ってしまいます。

そのような事態が起きれば、雇われている薬剤師が大半なので、会社からも評価はされないでしょう。

このように、患者さんの感情を読み取り人間である薬剤師が対応するので完全にAIに取って代わるのは難しいと考えています。

 

薬歴管理業務

薬剤服用歴(薬歴)の管理指導料は調剤報酬の対象なので、薬歴の活用が必須。

服薬指導業務の中で、患者さんの服薬状況、残薬状況、副作用歴などを聞き取り、薬歴として正確に管理します。

薬歴の情報から患者さんに情報提供しますが、薬歴を書いた薬剤師と服薬指導を行う薬剤師が毎回同じとは限りませんね。

忙しさを理由に他の薬剤師が書いた薬歴は時にわかりずらい内容となっていることたまにあります。

音声記録での管理、薬局間での薬歴は共有できない仕組みとなっているため、患者さんの情報はクラウドでの情報管理など、AIを利用した薬歴管理はより一層必要とされる時代となっていくはずです。

 

在宅業務

在宅業務とは、患者さんが療養されている自宅や施設に薬剤師が直接訪問して、服薬指導や薬の管理指導などを行う業務。

高齢化社会がますます深刻化していく中で、各薬局がより一層取り組んでいる業務でもあります。

薬剤師が在宅業務に参加する意義は、看護・介護職の方がやむをえず薬に関わっている現状の改善や、多職種との連携で相互の専門性を発揮したサービスの提供。

多職種連携の在宅業務の分野においてはAIを活用した取り組みで改善できることが沢山ありますね。

リモートでの服薬指導であれば、薬剤師が直接訪問しなくても服薬指導が可能などなど、改善点を挙げるときりがありません。

医師や看護師、ケアマネージャーといった多職種連携の情報共有が必須となり、シームレスなチーム医療体制の構築や規制緩和がネックとなってくるので、まだまだ実現化するのは先の話になります。




AIを積極的に取り入れることで業務の効率化を図る

薬を調合をするには常に薬を在庫しておかなければいけないので、調剤業務はサービス業でもある面から欠品は好ましくありませんね。

当然、薬が払い出されれば発注をしなければなりません。

わたしは、薬の発注業務は薬剤師必ずしもがやらなければいけない業務ではないと考えています。

なぜなら、薬の受注業務をAIに任せれば、人間よりも常に最適な在庫業況を保てるからですね。

薬剤師は空いた時間を他の業務に使えます。

高齢者の増加に伴い一包化や粉砕などの複雑な業務がどんどん増えることが予想されます。

AIを導入することによりピッキング作業、一包化、粉砕などの業務を自動化すれば調剤過誤の発生を限りなく抑えることが出来ます。

本来薬剤師が行うべき役割というのは、発注業務を行ったり、一包化をすることでありません。

薬学の知識を患者さんの治療のために活用することです。

AI導入により空いた時間を、薬剤師の薬学知識を活用するべきである調剤監査や疑義照会に使うことが出来ます。

 

結論、薬剤師の仕事はAIによって無くならない

最近ではAIやディープラーニングという単語をテレビや新聞などでよく聞きくようになりましたね。

コンピュータの発達と低コスト化によって、ビッグデータを簡単に扱えるようになりました。

最近ではオクスフォード大の研究レポートで、『AIやロボットによって仕事なくなってしまう可能性が高い職業100』が発表されたりと、いろいろ物議をかもしだしています。

 

個人でも人工知能を扱える時代になっていますね。

 

薬剤師の仕事は、一般医薬品の販売や在宅医療、医薬品製造管理者などいろんな仕事がありますが、薬剤師の仕事はAIに奪われてしまうのでしょうか?

冒頭でも言いましたが、薬剤師の仕事はAIによって無くなりません。

オクスフォード大の研究レポートでは、AIの普及で消える職業を具体的に示しています。

どんな職業が挙げられているのかは以下の通り。

 

<10年後消える職業TOP10>

順位消える確率職業
199%テレマーケター(電話を使った販売活動)
299%不動産の権原検査員、権原抄録者、権原調査員 
399%手縫いの裁縫師
499%数理技術者
599%保険事務員
699%時計修理工
799%貨物運送業者
899%税務申告書類作成者
999%写真処理技術者
1099%口座開設担当者

(オックスフォード大学マシン・ラーニング准教授 “雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか”より抜粋)

 

因みに、『薬剤師』はAIで無くなる職業で649位となっており、消えるリスクは1%でした。

 

よかった・・・。

 

薬剤師の調剤業務においては、薬の重複投与や相互作用、医師への処方提案や、患者さんの悩みを聞き出して症状改善の適切なアドバイス等の対人業務があります。

近年では対人業務に向けた人間の感情を認識できるAIの開発が盛んですが、感情認識AIも危険性を危惧する専門家も現れています。

感情言語科学の研究者であるリチャード・ファース・ゴッドビーヒー博士は、以下のように述べています。

 

人間の感情を理解するには単なる「表情」を検出して判断するだけでは不十分で、周りの状況やその人が置かれた状況、それまでの経緯などありとあらゆる情報を読み解く必要がある。

「拳を振り上げた人」を見たAIが感情を読み取ろうとする場合には、その人をとりまく様々な要因を考慮してその「コンテキスト」を正しく判断する必要があるというわけです。そして、そのような周辺事情のすべてをデータベース化することは極めて困難であり、機械学習などを使った表情の分析では人間の感情を正しく認識させることは至難の業だといえる。

出典:AIに感情を通わせるのは想像以上に難しく不可能かもしれない

 

現時点では、AIは人間の感情を読み取ることが難しく、対人業務に向いていないことがわかりますね。

AIのみに一連の業務を任せてしまうと学習していない症例に対応できず、医療ミスを引き起こしてしまう恐れや、医療ミスの責任を負うのは誰になるのか問題もあります。

調剤業務に薬剤師が不要になり、全てをAIに任せ、薬学知識が無い店員から「よくわかんないけど、AIがそういってるからこの薬は大丈夫です。」なんて答える店員から薬を貰いたいでしょうか?

 

AI時代に求められる薬剤師像

AIの登場で、人間である薬剤師にはコミュニケ―ション業務で差別化をすることが出来ます。

薬剤師の仕事がAIによって無くならない理由の一つに、「薬剤師の業務は調剤及び調剤時の服薬指導や情報提供、OTC医薬品に関する相談対応が含まれる」ことが理由だからです。

 

薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

出典:薬剤師法第1条

 

薬剤師は医師と患者さんをつなぐ存在。

薬剤師の基本的な調剤の仕事内容は、「医師の書いた処方箋にもとづいて薬を調合し、患者さんに処方箋通り調合した薬の説明をする。その薬の説明した記録を残す。」という流れだと説明しました。

これからの日本の高齢化に伴い、対人スキルが求められる在宅訪問はこれからどんどん増えていきます。

在宅訪問は薬剤管理だけでなく、服薬の相談や体調や副作用のチェック、残薬などを確認しなければいけませんね。

さらに、かかりつけ薬剤師として健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持ち、患者さんや生活者のニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師になることが求められています。

これらの業務はAIでは無理です。

よって在宅訪問、かかりつけ薬剤師として継続的にコミュニケーション能力を伸ばしていく必要があると考えます。

今後AIが普及するであろう未来・将来に向け、薬剤師として働き続ける必要な考え方をまとめた記事はこちら。

 

 

まとめ

いかかでしたでしょうか?

薬剤師はAIとうまく共存すれば、患者さんに最高の医療の提供ができます。

調剤や雑務はAIに任せて、調剤監査や疑義照会など患者さんに対して薬学の専門知識を活用できます。

これが本来の薬剤師の役割ですよね!

人間である薬剤師しか出来ないことは、在宅訪問やかかりつけ薬剤師などのコミュニケーション能力を必要とされる業務。

これらの能力を伸ばすことが今後求められる薬剤師像だと考えます。

 

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