薬剤師は飽和してしまうのか?転職した薬剤師が真剣に考えてみた

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薬剤師は飽和してしまうのか?転職した薬剤師が真剣に考えてみた

薬剤師は飽和になるといわれ続けて10年以上が経過しました。

しかし、実際のところ薬剤師が働いている職場ではまだまだ人が足りていないと感じている人が多と思います。

私も現役の薬剤師として働いており、調剤薬局で働いていた頃は人手が足りなくて、終電ギリギリまで薬歴を書いていた事がありました。

なので、薬剤師が飽和状態になるという実感がありません。

この記事では、「薬剤師は飽和してしまうのか?」という疑問に対して、現場の薬剤師の観点から考えを書きました。

是非、今後の働き方の参考にしていただけたらと思います。

 

薬剤師は飽和してしまうのか?

 

『最近のニュースを見ると定員割れしている大学が増加している』なんて言われてますが、薬学部は依然として人気がありますよね。

6年制になった今でも薬学部は新設され続けています。

その一方で、薬剤師国家試験では「得点率65%以上」から「平均点と標準偏差を用いた相対基準」に合格基準を変更し、市場に出る薬剤師を調節する事となりました。

それでも、4年制の薬剤師国家試験の合格率は70%前後で推移し、6年制への移行で合格率にばらつきがありましたが、最近では70%前後を推移し4年制と同程度の合格率となってしまってます

 

近年の薬剤師資格取得国家試験受験者数と合格者数

引用元>>>厚生労働省

 

また、平成28年12月31日現在における全国の届出「薬剤師数」は301,323 人で、前回と比べると13,172 人(前年比4.6%)増加しています。

人口10万対薬剤師数は237.4人で、前回に比べ10.7人増加です。

 

さらには、厚生労働省の「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」の資料によると2005年の時点ですでに8万人以上の薬剤師が市場にあふれており、今後も薬剤師の数は年々増加すると報告されました。

 

引用元>>>厚生労働省 薬剤師供給の将来動向に関する検討資料

 

2028年には13万人もの薬剤師が溢れてしまう内容となっていますね。

 

薬学部の設立ラッシュにより薬学生が増え、薬剤師業界が飽和するのではないかと考えてしまうのは当然のことです。

 

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しかし、現場で働く薬剤師は飽和していると感じているでしょうか?




薬剤師の飽和感を感じられない理由

 

みなさんは、薬剤師が飽和していると感じていますか?

実際に、薬剤師の友人10人に「薬剤師はすでに飽和しているか?」という質問したところ、全員がNOと答えました。

 

サンプルの数として10人は少なすぎるかもしれませんが、全員が「飽和していない」と回答したのは、決して無視できない結果だと思います。

 

少なくとも私が働いていた調剤薬局では常に人手不足で、終電近くまで薬歴を書き、希望休の取得もままならない状態で仕事をしていました。

この厚生労働省の発表と、現場で働いている薬剤師が体感している温度差は何でしょうか?

その理由は3つ考えられます。

 

薬剤師という職業には女性が多いから

薬剤師という職業は女性が多いです。

約60%以上が女性の薬剤師なので、いずれは出産による退職などが考えられます。

一度退職すると、意外と薬剤師として復職する人はあまりいないのが現状。

私の友人など見ていると、女性の薬剤師が結婚する相手はそれなりに年収が高い人と結婚する傾向にあります。

年収が高い男性なら、出産を理由に退職した後でも専業主婦として生活できるからですね。

そのため、女性薬剤師が多い中で出産などで仕事を辞めた場合、必ずしも復職するとは限らないのが原因だと考えられます。

 

調剤以外の仕事をしている

薬剤師という職業は調剤だけが仕事ではありません。

私が転職活動をしているとき、製薬会社、医薬品卸、SMO、CRO、ペットの医薬品会社など、 ドラッグストア、調剤や、病院以外の求人があることを知りました。

私はドラッグストア→原料メーカー→製薬メーカーと2回転職しています。

 

2社目の原料メーカーでは営業職でしたので、薬剤師免許は必須というわけではありませんでした。

 

友人など見ても薬剤師予備校の講師になったり、行政で働いていたりと調剤以外の職種に従事していたので、薬剤師としてカウントされないことが飽和になっていない原因だと考えられます

 

地域によって薬剤師数の差がある

厚生労働省の「平成30年医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、人口10万人あたりの薬剤師数は沖縄県が139.4人に対し、福島県では233.8人と100人もの差があります。

 

引用元>>> 厚生労働省「平成30年医師・歯科医師・薬剤師調査」

 

 

このように、地域によって薬剤師数の差があり、 正常に市場へ薬剤師が供給されていないことがいまだ飽和とならない原因だと考えられます。

 

求人を出す経営者側は、慢性的な人員不足のため年収を高く設定してでも薬剤師が欲しいと考えているので、 地方の薬剤師求人の年収が高いのはこのことが原因です 。

 

飽和どころか将来は薬剤師が減ってしまうかもしれない件

2021年6月16日、厚生労働省の検討会は薬学部の定員抑制を早急に検討するよう提言をしました。

その背景には将来的に薬剤師が過剰になる、または薬学部の新設ラッシュによって入学定員がこの20年間で4割以上増加していることが主な理由です。

加えて薬剤師の供給格差、薬剤師国家試験に合格できない学生の増加しているとして、供給格差の解消や学生の質の向上にも取り組むよう求めました。

「国家試験に合格できない学生をさらに増やすことになり、薬剤師を養成する教育機関としての役割を考えると、国家試験合格者数の抑制のみでの対応は望ましい方向とは言えない」としていることから、どうやら薬剤師国家試験の合格者を減らすという方向性では無いよう。

現段階では「(薬剤師の)需給推計の精査を引き続き行うことが必要」、「今後もさらに検討する必要がある」との見解を示していることから、今すぐどうこなるような話ではありませんが、もっと具体的に話が進めば将来的に薬剤師の人口が減る可能性があると考えられます。

 

薬剤師は飽和状態にならないかも?しかし、安易に転職できなくなる時代がくる

薬剤師はすでに飽和状態だと言われていますが、それは数値上であって、 厚生労働省の「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」 の資料の内容は現状を反映しているとは思えません。

薬学部が増えることにより、新しい薬剤師がどんどん市場に流入していく一方で、2025年には、団塊の世代が75歳以上となり後期高齢者となります。

 

65歳以上の人も含めたら、人口の30%以上が高齢者となりますね。

 

高齢者が増え続ければ、その分医療も必要となってくるので薬剤師が飽和しているとは言えないのではないでしょうか?

だからと言って、私たち薬剤師は最高の医療を提供するために勉強を怠らず、日々精進する必要が有ります。

そして、本当に薬剤師飽和時代が到来したら、いままでのような『安易に転職できる時代』が終わります。

時代の変化に対応した「求められる薬剤師」にならなければ働いていけなくなるかもしれません。

そのためには、集中してスキルを伸ばせるような、ストレスの少ない環境で働くことを考えるのも大切ですね。

 

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